1970/01/11 [Sun]
昔話11〜違和感

そんなめちゃくちゃな入院生活も、ピークを迎えていた頃。
ある時、私たちのあまりの騒ぎっぷりを見て、初入院してきた女の子が、
「みんな、17歳のカルテって映画そのものだね。」と言った。
他の人は「確かにねー。」なんて言っていたけど、私は何か違和感を感じずにおれなかった。
メンタルを病んでる人は、この映画を好きな人達が多い。
私もとても素敵な映画だと思う。
でもあの映画の一番いいところは、ウィノナが風呂に投げられて、
「あんたは逃げてるだけだ」って言われたあとからなんだよな。
本気で自分と向き合うんだ。生きていくために。
私には、それが必要だったんじゃないかと思う。
大変な葛藤の中、実行しているつもりではいたけど。
でも、それならなんでいつも繰り返すだけなんだろう。
それも、徐々に落ちていきながら。
何かが足りないのかもしれない。
何も前向き教になれとかそんなんじゃない。
ただ、絶望を安住の地にするのはやめて、いかに生きやすくするかを、考えようってこと。
そういう、向き合い方をしてもいいんじゃないかって。
それはすごく難しくて、もしかして、破壊衝動にひきこまれているほうが楽な位、大変なことかもしれない。
でも、17歳のカルテでも、あの大騒ぎというか、心の交流があったからこそ、その後、自分と向き合ってそんな思いに至ることができたのだと思う。
やっぱり、人との交流は、マイナスにもなる事も多いけど、すごい力になりえる。
誰かと心を通わすことで、一瞬でも生きるのが楽しいと思うことができたなら、この入院は意義のあるものだったと信じたい。
一生無理と思っていたけど、完璧ではなくとも楽しいと思える瞬間が確かにあったから。
たとえ瞬間でも、大切に抱いて、生きる希望にしていけたら…。
そして1人、また1人と、退院したり転棟していった。
実際、退院後ほとんどの人は、自分と向き合ったかどうかはわからないが、病状は安定していった。
ハルと私とセリたん以外。
私はまだまだ希望が持てなかった。
心地よかった瞬間よりも、不安の方が強かった。
シーちゃんはあのメンバーの中で唯一、行方不明なので今何をしているのかわかりません。
ハルは今年の五月に亡くなった。
自殺だった。
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